フェリシモ

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フェリシモ おはなしのたからばこ ((K-632:645))

【みっけちゃん グリム童話】グリム童話の『みつけ鳥』がこんなに愛らしくポップな絵本になりました。タカにさらわれ、森の中に置き去りにされた男の子と、見つけてくれたお家で一緒に育った女の子。ふたりは捕らえようとする料理女からも下男からも逃げていきます。バラや教会、池に変身して……。何とも不思議なお話ですが、リズミカルで歌うように語られるお話と、テンポよく場面が変わっていく絵本ならではの楽しさで、不思議がすとんと胸におちるのです。幼い頃から心通わせ、大好きどうしのふたりだからこそ、災いの手から逃れるための愛の力を強く持つことが出来たのでしょう。細やかに描かれたイラストをじっくりとご覧下さい。レーネちゃんが変身したものには白いリボンが、みっけちゃんが変身したものには黄色い葉っぱがついていますよ。作家の遊び心が見つけられると、絵本を読むのがもっと楽しくなりますね。
  文・絵;つつみあれい

【ラプンチェル グリム童話】こんなふうに場面を切り取った「ラプンツェル」の絵は他にはないのではないでしょうか。カーテンのレース模様、ドレスの足元、植物の気配、長い髪を切り落とす瞬間の鋏、王子の胸によせるラプンツェルの表情、そして手…。匂い立つように詩的で湿度のある内田也哉子さんの文章を、何一つ説明するのではなく、部分をアップにすることで、他の削ぎ落とした部分への想像を喚起させる、物語の気配に満ちたモノトーンに近い世界。絵描きさんの想像力を湧き上がらせるような余地余白を残す内田さんの言葉の魅力と、宇野亜喜良さんのアートディレクションと、3者が奏でる音楽のようだ。静かな緊張感をもって完成された、上質な品格を感じる絵本なのです。
  文;内田也哉子、絵;水口理恵子

【赤ずきん】一緒につくりあげた。時間と空間を共有しながら、お互いに物語を産んでゆく。物語は育ってゆく。そんな1冊。「あたい赤ずきん。」で始まったいしいしんじさんの文章。絵はほしよりこさん。「きょうの猫村さん」同様に鉛筆の線。唯一、ずきんだけが絵の具で赤く色づけ。このずきんは人には見えないのだ。だから子どもたちに「赤ずきんってっても名ばかりじゃーん」なんて言われてる。でも、ジローには見えた。遠くにいるジローを想って赤ずきんは待っている。人を想う赤ずきんの姿がとてもいい。誰しも皆、自分がまとっている赤いずきんが見える人を待っているのだ。鋭い嗅覚でかぎ分けながら。透明な犬の用心棒を携えながら。深い思索に富む創作。
  文;いしいしんじ、絵;ほしよりこ

【赤いくつ アンデルセン童話】アンデルセン40歳の時のこの作品を、角田光代さんという言葉の名手によってお届けできることがうれしい。カーレンが赤いくつを履いたとたん、足は勝手に躍りだす。止まらない。なんと足を切り落としても、足はくつごと躍っているのだ。赤いくつは魔物だ。その意味するところが何であるか、この物語の底に流れるものは、読む人が様々な受け止め方をするでしょう。物語と絵の印象がぴたりと重なった時、絵本は心に入り込んでくる。網中いづるさんは、この怖くて痛くて哀しく美しい物語の気配をのびやかに描ききった。ドレスや靴や少女がさり気なくおしゃれなのも網中さんならでは。塗り込めた絵と余白の広がる絵との絶妙な呼吸。新しい古典の誕生です。
  文;角田光代、絵;網中いづる

【くわずにょうぼう 日本民話】表紙は明るい黄色。お膳を持った小粋な着物姿の女性。よく見ると書き文字のタイトル「く」の文字にはギザギザの歯がついている。何なのかな。——お金持ちなのにけちんぼうな男がいて、家族にごはんを食べさせるのももったいないから、奥さんなんかいらないという。そこに「私を女房にしてください。ご飯は食べません」という美女が現れ…。日本民話として長く読み継がれてきたお話を、生きのいい文章が一気に物語の世界へと引き込んでいきます。そして、絵が物語ることの面白さをふんだんに楽しめる絵。クライマックスへと頁をめくる時に感じる手に汗握る感触は、紙芝居の山場でぐいっと紙を引き抜かれた時の躍動感と通ずるところがあります。夜中にこっそり外に出て行く色っぽい女房の素足、変貌する妻に驚愕する夫…、話の雲行きが変わるときの絵の気配と色彩が絶妙です。これほど迫力に満ちた、しかもどこかクスリと笑ってしまう展開はまさしく下谷さんの独壇場。ちょっとコワイですがたっぷり楽しんでください。
  文;二宮由紀子、絵;下谷二助

【ねずみじょうど 日本民話】ころころと転がっていくだんごの後を追いかけて、穴の中に入ってしまったおばあさん。暗い穴の中を手探りで進んでいくと、奥には歌い踊りながら楽しそうに臼ををついているねずみたちがいました。それを見たおばあさんはいたずら心をおこして、ちゃっかり金の臼と杵を手に入 れてしまいます……。ひょんなきっかけで幸せを手にする人と、それをうらやみ悔しがる人。民話は時に理不尽に思えるほど、対照的に人の生き方を見せてあっけらかんとしています。それが、長い間語り継がれてきた物語の凄みなのでしょう。楽しさ、おかしさ、恐ろしさ、愚かしさ……自在な筆のタッチで人の心に生まれる様々な感情を、えいやっと描き出した絵の迫力。人の世とはちがう異世界の有り様を淡々と書いて印象深い文章。新しい定番となる絵本ができました。
  文;岩瀬成子、絵;田島征三

【熊ちゃん】図書館や大型書店で、ものすご〜い数の本を目にしたとき、「一生に読める本の数ってそう多くない」そんなふうに思うことがありませんか? だから、出会えなかったかもしれない作品にめぐり逢えるのはちょっと得をしたキブン。フェリシモスタッフ内でも「好き!」という声の多い『熊ちゃん』。文は、今江祥智さんのオリジナルです。1971年に発刊され、今は絶版になっている『海いろの部屋』(理論社)に収録されていたものです。絶版本の方の『熊ちゃん』の絵は「おはなしのたからばこ」で『カエルの王さま』を描いてくださった宇野亜喜良さんなのですが、今回の描き手は、北海道・旭山動物園の飼育係を経て、絵本作家になられたあべ弘士さん。あべさんがリアルとメルヘンのすき間にいるふかふかの熊ちゃんをどう描かれるのか。そしてちいさな女の子(麻里ちゃん)はどんな姿に描かれるのかしら? 今まで見たことのないあべ弘士ワールドが広がりそうで楽しみです。
  文;今江祥智、絵;あべ弘士

【白雪姫 グリム童話】誰もが知っているお話ですが、どんなふうに描かれているのか、あなたの目でどうぞ真新しい未知なる『白雪姫』の世界をお楽しみください。文を書いてくださった岩瀬成子さんは、揺れ動く繊細な少女の心を描き出す名手として知られる児童文学者。1978年の日本児童文学者協会新人賞をはじめ、数々の賞を受けておられます。さらに、絵を描かれているのはご存じ荒井良二さん。荒井さんの存在抜きには、最近の絵本ブームはありえなかったのでは?と思えるほどに、大活躍されています。今回、普通なら見ることがかなわない下絵を見せていただきました。まだ彩色されていない絵にもかかわらず、“色彩”が強く感じられるから不思議。抑制がきいた大人な岩瀬さんの文に自由な荒井さんの絵。どんな化学反応が起こるのか、ドキドキするカップリングです。
  文;岩瀬成子、絵;荒井良二

【絵すがた女房 日本民話】おほほ、と小首をかしげて笑う表紙のおはなさん。こんなほっこりとかわいらしい女性がいつもそばにいると、男の人ってこうなっちゃうんだなあ、まったく。仕事に手がつかなくなり、恋女房がにっこりしてくれることなら、なんでもしてしまう、なんともおばかでかわいらしい男の人ばかりが出てくるお話です。これまで描かれてきた絵本では、殿様の横暴さ、幸せに暮らしていたのに別れさせられる夫婦の悲しさを主調にしているものが多かったのですが、本作は違います。ユーモラスでのびのびとした石井さんの絵、人間っておかしいねと、お茶目に語りかけてくる二宮さんの文章が楽しくて、にこにこしてしまいます。わがままな殿様ですら、なんだか愛らしく見えてきて……。しっかり者で知恵者でもあるおはなさんがいれば、お城もお城下の人たちの暮らしも大丈夫でしょう。結局、か弱いように見えて、女はしたたかで強いのよというお話なのかな?
  文;二宮由紀子、絵;石井聖岳

【おいで、もんしろ蝶】ある朝、うまれたばかりのもんしろ蝶が、池のそばにきた。そして、草の葉につかまって、池のおもてにうつる自分のすがたにみとれ、おもわず「ま、きれい!」とつぶやいた。池はくすっと笑っていった。「ああ。あんたはとてもきれいだよ」——。こんなふうに蝶と池の出会いは始まる。2つの命の物語。きらきらした光の粒のように輝くもんしろ蝶の短い命と、それに比べれば永遠のように長い池の命の時間。ある朝迎える蝶の死をするりと描いたこの作品に、短い命の蝶が可哀相なわけではなく、それぞれにそういうものとして命はあるということそのものを見事絵にした皆川明さん。シンプルで潔くおしゃれな、そして深い慈しみに満ちた絵本。
  文;工藤直子、絵;皆川明

【森にめぐるいのち】木々が森を作り、動物や植物が生きていく場所となる。森もまたゆっくりと変化していくことを、この写真絵本は教えてくれます。長い間生きてきた大木が倒れる時、森が震え、地面が揺れる。大木の広げていた葉っぱが取り払われ、ぽっかりと窓が開く。見上げると切取ったような空が見える。「それをギャップというのです」と姉崎さん。森をめぐるのは季節、水、空気……。私たちの呼吸する息が、森の木々 に吸い込まれ、酸素となってまた、私たちへと戻ってくる。これもいのちのめぐりです。森と私たちは遠く離れているようでいて、呼吸という一番大切な営みでつながっている。そう気づかせてくれたのは、 片山さんのシンプルで滋味深い言葉でした。
  文;片山令子、写真;姉崎一馬

【くぎのスープ スウェーデン民話】冬に読みたいスウェーデンの民話。心地よいテンポの菱木晃子さんの文章がするりと本の中に誘い込んでくれる。ある晩、男が森の中の家を訪ね、一晩の宿を乞う。けちん坊なおばあさんは、もちろん嫌。でも「くぎ1本で上手いスープをつくる」という言葉にそそられて、男を泊めることに。鍋を覗くおばあさんの、涎の垂れそうなうれしそうな顔。食糧部屋からいそいそと肉やジャガイモを運ぶ足取り。読んでいる私たちは、ごくりと唾をのみながらスズキコージさんの絵の魔法にかかってしまう。恍惚としているおばあさんと、すまして食べている男のラストに、なんだかおばあさんが可愛らしく見えてきた。とにかく、2人ともハッピーでよかったよかった。
  文;菱木晃子、絵;スズキコージ

【ふしぎなたいこ 日本民話】「昔、昔、あったんだど……」とほっこり語られる昔話。新田新一郎さんは子どもたちに畳一帖大の大きな紙芝居を作って、太鼓を手に、このお話を長年語り聞かせてきました。ゆったりとした東北弁の大らかさ。トコトントン トコトントンと鳴らす太鼓の調子のよい響き。ずんずん鼻が伸びていくおもしろさ。聞いて楽しい、見て楽しいこの1作は、アトリエの子どもたちに大人気なのだそうです。演じ語られる昔話を絵本にするのは、とてもむずかしいものなのですが、田島征三さんは太鼓をもらった源五郎どんのお茶目でおっちょこちょいな性格や、緑あふれる村の美しさをぐいぐいと力強く描き出しました。絵本を縦開きに使ったダイナミックな展開が絵柄にもあっていて、印象に残る1冊となるはず。この絵本はぜひ、声に出して読んでください。きっと花咲き乱れる東北の遅い春を、やわらかな風を感じることでしょう。
  文;新田新一郎、絵;田島征三

【しいちゃん】なかなか周囲になじめなくて、もうひとりの自分がいたらいいのに、と思っていた女の子、しいちゃん。しいちゃんがもうひとりの自分に会ったかのように、心安く言葉少なに、一緒にいられたのは、ちょっと風変わりなおばさんでした……。親でも先生でもない、たまにしか会わない大人と、春の河原の土手で過ごした時間。濃密で静かな時間です。それがあったからこそ、しいちゃんは大きくなるにつれて、一歩ずつ自分の世界を広げていくことが出来たのでしょう。淡々としたやさしい風景の中で成長していく女の子を繊細に描いた物語と、少し不思議なシーンが印象的なイラスト。幼い時の震えるような心持ちを懐かしく思い起こさせる絵本になりました。
  文;友部正人、絵;沢野ひとし

【三枚のカード】民話の「三枚のお札」を土台に、谷川俊太郎さんがパロディ化して作り出された新作。
「三枚のお札」には和尚さんがくれたお札のおかげで、鬼婆から逃げきった小僧のお話。
お札のかわりにカードを携え、逆に鬼婆に会いたいと夜の街に出て行った少年は……。
絵は下谷二助さん。下谷さんの底力を発揮した作品といえるでしょう。
公園のベンチで焼き栗を食べている女も変だし、ギターを爪弾きながら寂しい歌を歌う女も何か妙だ。
少年が壁辟易している表情もどこかおかしい。
ページをめくる楽しさと驚き、どことなく不穏な気配に引きつけられていく絵本です。
  文;谷川俊太郎、絵;下谷二助

サイズ;14.8×11.3×0.8cm/冊
ハードカバー

C$3.50
チャペック童話 郵便屋さんの話 (4-89432-425-1(H-224))
仕事に喜びを見いだせなかったコルババさんが、小人たちと偶然出会うことによって変化がおこります。無味乾燥に思えた手紙にも真心がこもっているものがあるのです。
心をこめて書かれた手紙のもたらす幸福感――これはいつの時代にもあるのではないでしょうか。

作;カレル・チャペック
訳;関沢明子
画;藤本将

出版社;フェリシモ出版
出版年月;2008.03(2011.11版)

ページ数;64p
サイズ;21.6×17.8×1.1cm
ハードカバー
カバー付
角にスレあり

C$5.00
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